ランニングの前後はウォーミングアップとクールダウンをきちんと行うことでケガの予防やパフォーマンスがアップして継続的なトレーニングを行うことが可能になります。
今回はランニング前に行ったほうが良いストレッチ、ランニング後に行ったほうが良いストレッチ、ランニング後のケア等を紹介していきます。
ランニング前のストレッチ
ランニングの前後はウォーミングアップとクールダウンをきちんと行うことでパフォーマンスがアップしたりケガの予防になり継続的なトレーニングを行うことができます。
ストレッチは関節の可動域を維持することや発達をさせる目的があります。
また、ストレッチは静的ストレッチと動的ストレッチなどの種類によっても目的が異なります。
静的ストレッチはゆっくりと組織を伸ばして血液循環を良くして関節の可動域を広げるといった目的でクールダウンや寝る前のセルフケアで行うことが良いとされています。
動的ストレッチは日常生活ではあまり行わない関節可動域を超えるように振ったり弾ませたり動かしながら関節の可動域を少しずつ高めていきます。慣れないうちに大きく動かすと関節障害といったケガにつながるので最初は無理をせずに継続しながら自然と可動域が広がっていくことが理想です。動的ストレッチは主にウォーミングアップの時に行うことが良いとされています。
動的ストレッチ
ウォーミングアップの時は動きの中で関節の可動域を広げてこれから走り出すという刺激を送りスムーズに走り出せる目的で行います。
自分の可能な範囲で正確に大きな動きを心がけることが大切です。
筋肉を痛めないように注意しなら最初はゆっくり行ってみましょう。
肩甲骨の動的ストレッチ
- 手のひらを内側に向かい合わせます。真っすぐ上に伸ばしたまま保ちます。
- 1.の状態から手のひらを外に向けながら肘を下に下げていきます。
<ポイント>
肘を前に出さずに肩の関節を上下にしっかり動かし左右の肩甲骨を近ずけるように意識しましょう。
肩甲骨の動的ストレッチ2
- 10mくらいの距離を腕を前の方に回しながら歩きます。
- 同じように後ろ回しも行いましょう。
<ポイント>
肩の付け根から大きくゆっくり動かすイメージで行いましょう。
視線はまっすぐ前を向き背筋を伸ばして体の軸をぶらさずに意識しましょう。
股関節の動的ストレッチ
- ウオーキングを行いながら3歩進み膝を上げます。
- 接地している軸足の踵を持ち上げて腰高のフォームを作ります。
<ポイント>
母指球に体重をので体を支えるようにします。腕振りも忘れずに行いましょう。
股関節の動的ストレッチ2
- 両手を横に広げ3歩ごとに膝を横に引きあげます。
- 1.の状態のまま前に回して足を下ろしましょう。
<ポイント>
肩は常に横一直線、支持脚のつま先は前方を向いたままで体の軸をぶらさずに股関節だけを動かすように意識しましょう。
疲労を回復させて良い状態でトレーニングを行おう
ランニングやランニング以外でもトレーニングを行えば当然体は疲労をします。この疲労をどのように回復をさせていくかということでトレーニング効果は変わっていきます。
ランニングを行い、その能力が高くなるのはトレーニングによって受けたダメージを体が回復へと向かいトレーニング前のレベルを超えて強くなるからです。
このような現象を超回復と言います。超回復をうまく行ったところで再び強度の高いトレーニングを行うとまた体はダメージを受けて、もっと高いレベルまで回復します。この継続で大きなトレーニング効果が得られてランニングの能力を引き延ばすことが可能になっていきます。
しかし、体が回復する前に体にダメージを与えてさらにきついトレーニングを行ってしまうと疲労がかさなり体調が低下してトレーニングが逆効果になる可能性があります。
トレーニング効果を発揮するためにトレーニングの後は疲労を素早く回復させて常に良い状態でトレーニングを行うことが大切です。
クールダウンの必要性
トレーニング後のクールダウンは疲労を残さないための一つです。
スピードトレーニングや高強度のトレーニングを行った後はしっかり行ったかどうかで疲労の残り具合が変わってきます。
インターバル、ペースランニング、ビルドアップ走、坂ダッシュなどの高強度のトレーニングは筋肉が大きく疲労します。それを早く除去するには2kmくらい、15分~20分程度ゆっくりとジョギングすることが良いとされています。
疲労してジョギングできる状態でなければウオーキングでも構いません。
心臓から全身に血液を運ぶ動脈は心臓のポンプ作用の圧力で血液に加わります。その力により血液は流れています。体の各部分から心臓に向かう静脈はこのような力は働きません。
静脈の血液は周囲の筋肉が収縮を繰り返し圧迫され流れやすくなります。繰り返し圧迫されると中の血液は心臓に向かい流れだします。
ジョギングやウオーキングを行っていくと足の筋肉は収縮と弛緩を繰り返し静脈が圧迫されていきます。そして、疲労物質を含んだ血液が心臓へと戻っていきます。
ランニング後のストレッチ
ゆっくりジョギングやウオーキングを行った後はストレッチを行いましょう。
クールダウンのストレッチはウオーミングアップで行う場合のストレッチとは違う役割で疲労回復目的ということを意識することが大切です。酷使した体をしっかり回復させるように、心地良いくらいのす良さで行うと良いでしょう。
静的ストレッチは筋肉を温める、関節の可動域を高める目的で行います。
痛みを感じる場合は伸ばし過ぎというサインなので注意が必要です。
ふくらはぎの静的ストレッチ
- つま先と膝の向きを揃えて前後に開脚します。
- 踵をつけたまま後ろの足の膝を伸ばしふくらはぎを意識しながら伸ばしましょう。
ハムストリングスの静的ストレッチ
- 片足を前に出しながらつま先を上げて膝を伸ばします。
- 背中を伸ばしながら上体を前傾させてハムストリングスが伸びていることを意識しながら行いましょう。
内転筋の静的ストレッチ
- 両足を開いて膝を曲げます。この時に両手を膝に置きます。
- 両膝を引き離すように手で押し広げましょう。
大腿四頭筋の静的ストレッチ
- 片方の膝を曲げます。この時足と同じ側の手で足首を持って立ちます。
- 踵をお尻に引きつけて大腿四頭筋を伸ばします。
股関節の静的ストレッチ
- 前後に大きく開脚します。体幹を意識して上体をまっすぐ立てましょう。
- 後ろの足の付け根を後ろに伸ばすイメージで意識しましょう。
大臀筋そ静的ストレッチ
- 座った状態で片方の膝を曲げます。曲げた膝に反対側の足を乗せます。
- 伸ばす足の脛と地面が平行になるように意識して姿勢をキープしましょう。
梨状筋の静的ストレッチ
- 座った状態で片方の膝を曲げたまま足を外側へ向けます。
- 反対側の足で膝を押さえながらお尻を床に近ずけるように意識しましょう。
脊柱起立筋の静的ストレッチ
- 座った状態で両方の膝を曲げて足を開きます。
- 骨盤を固定して、上体を丸めるように意識して前傾させましょう。
広背筋の静的ストレッチ
- 座った状態で片方の膝を立てて座ります。
- 立てた状態の膝の外側に反対側の肘をつけ状態をひねりましょう。
背中、腰の静的ストレッチ
- 片方の手首を反対側の手で持ちます。引っ張りながら体を側屈させます。
- 伸ばした方の腕が耳の後ろを通るように意識しましょう。
背中、腰の静的ストレッチ②
- 寝た状態で腰をひねりながら片方の足を反対方向に向けます。
- 伸ばした方の足の膝を床に近ずけます。上の足側の肩は浮かないように固定しましょう。
肩、腕の静的ストレッチ
- 片方の腕を伸ばします。
- もう片方の腕で体に引きつけて、伸ばしている方の肩は動かさないように意識しましょう。
肩、腕の静的ストレッチ②
- 頭の後ろで肘を曲げます。
- 反対側の手で曲げた肘をつかみ地面に向かって上からゆっくり押しましょう。
胸部の静的ストレッチ
- 体の後ろで手を組みます。
- 肘を伸ばし腕を上げて胸を張り、上体が前傾しないように立ちましょう。
首側面の静的ストレッチ
- 片方の手で腰を抑えます。この時肩が動かないように固定をします。
- もう片方の手で頭を押さえてゆっくり息を吐きながら側屈させましょう。
首後面の静的ストレッチ
- 両手で頭の後ろを抱え込みながら持ちます。
- 両手で頭を前方に倒してゆっくり息を吐きながらのばします。
ランニング後のアフターケア
運動した後に急に体の動きを止めてしまうのではなく、ゆっくりジョギングを行ったりウオーキングを行って徐々に心拍数を落ち着かせていくように心掛けましょう。
ランニング後のストレッチ
クールダウンの一部としてランニング後にストレッチを取り入れましょう。
ストレッチは筋肉や腱を伸ばし柔軟性を高めたり、血行を良くし疲労回復させることが目的です。
ランニングは筋肉を収縮させる運動なんでランニング後、筋肉が硬くなり血流も悪い状態になります。
ストレッチを行うことで血行を促進させ、筋肉痛の予防にもつながります。
ランニング後のセルフマッサージ
筋肉の疲労回復にはマッサージも有効です。まずは手軽に毎日行える範囲のセルフマッサージを習慣にしてみましょう。
セルフマッサージは専門的なプロの治療家とはちがい限定的なものになりますが、自分が必要と感じた時にすぐに行うことができることがメリットです。ランニング後や就寝前、時間があれば積極的に行うように心がけましょう。
<h4>セルフマッサージの注意点</h4>
セルフマッサージを行う時は筋肉を痛めないように十分注意しましょう。
指先で強くもんだり押したりすることは避けるべきです。
筋肉に張りがある状態で強くもんだり押したりするとかえって痛める可能性が出てきます。
セルフマッサージでは手のひらを使って軽くこするようにマッサージしましょう。
ランニング後のアイシング
強度の高いランニングはもちろんランニング初心者の人はランニングフォームが安定しなかったり筋力不足で特に膝や脹脛やアキレス腱が炎症状態になっていることが多くあります。これはランナーにとって慢性的なトラブルの状態です。
アイシングは痛みや疲労感がある部分冷やすこおで筋肉の熱を取り痛みを和らげます。
アイシングを行うと一時的に血管が縮みますがやめるとその反動で一気に血管が広がり血行が良くなります。
第二の心臓と呼ばれる血液循環のポンプの働きがある足の裏を中心に行うと大きな効果が期待できます。
ランニング後の入浴で心身ともに疲労回復!
ランニング後のアフターケアとして入浴もその効果が期待できます。入浴でゆっくりお湯に体を静めることで精神的にリラックスできるだけではなく、肉体的にも疲労回復に良い効果を得られます。入浴の疲労回復のメリットとして、温熱効果、水圧、浮力が働きます。
まず、温熱効果で血管が拡張し、血液循環がよくなります。
その結果凝り固まった筋肉をほぐします。特に冬は血管が収縮するので適度に温かいお風呂にはいり血液循環をよくすることはとても効果的です。
次に入浴中の体には水圧加わります。お風呂に入ってもあまり圧力は感じませんが実は大きな圧力を受けているので全身から心臓に戻る血液が促進されます。ランニングのトレーニング後は筋肉が疲労していますが、心臓に戻る血液の血行が良くなることで疲労物質も回復しやすくなります。
最後に入浴中は浮力も働きます。人間は日常生活を送るうえで重力を意識することはありませんが、立っている時、座っている時は重力に抵抗しているので筋力を使っています。ですが、入浴中は浮力により重力から解放された状態になり全身の筋肉が完全にリラックスした状態になります。
シャワーだけで済まさず積極的に入浴することをおすすめします。
入浴後のストレッチが疲労回復に効果的!
ストレッチは体温が上がっている時が効果的と言えます。トレーニング前のウオーミングアップはウオーキングや軽いジョギングを行った後に筋肉の温度を上げてからストレッチを行うと良いでしょう。
入浴後は筋肉が十分に温まっているのでストレッチを行うのに効果的な時間と言えます。
トレーニングの疲労回復、ケガの予防の目的で入浴後のストレッチはおすすめです。
ストレッチポールやバランスボールを使用することも大変有効です。普段伸ばせない部位を積極的に伸ばしケアを行いましょう。
ストレッチポールやバランスボールは背中の筋肉をほぐすのに有効です。ランニングは足の筋肉ばかり疲労すると思われがちですが、背中の筋肉もとても疲労します。
ランニングのトレーニングを継続していくと激しい呼吸や疲労により姿勢が前傾して肩がすぼみ背中の筋肉が疲労により凝り固また状態になり呼吸が苦しくなる状態になる可能性もあります。
背中の筋肉は自覚症状があまりなく見落とされたりケアしずらい部位でもあります。自分でもみほぐすということもできません。その点ストレッチポールやバランスボールの上に寝て体を反らしたり転がしたりするとうまくほぐれてくれます。
背中を解すと質の良い睡眠をとることもできるのでぜひ取り入れてみましょう。
質の良い睡眠で疲労回復!
疲労回復には睡眠が必要不可欠です。
しかしがいと軽視されやすいの睡眠です。睡眠時間を削ってまでランニングを行ってしまうと疲労回復につながらず、パフォーマンスアップが望めないことはもちろん、ケガの原因につながります。
トレーニング効果はトレーニングのダメージを受けた身体が超回復を行うことで得られます。トレーニングで鍛えられる筋肉は筋繊維という束からできていますが、これが酷使されると細かな傷ができます。この傷は新にタンパク質が合成されることで修復されますが、この修復は成長ホルモンが分泌された時に特に活発に行われると言われています。
成長ホルモンは古くなった組織を新しい組織に作り変える時や傷ついた筋繊維を修復させる時に働きます。成長ホルモン一日中分泌されているわけではなく、寝ている時が最も分泌が高まっている時です。質の良い睡眠をとることで成長ホルモンは多く分泌されます。深夜に就寝することが重なると成長ホルモンの分泌が少なくなるとも言われています。
トレーニングで損傷した筋繊維の修復を早めるためには質の良い十分な睡眠をとることが良いのです。筋肉が受けたダメージの回復が早まればより良い状態の筋肉でトレーニングを継続することができます。
ランニングと栄養
ランニングは長時間の全身運動です。エネルギー消費量が多いのでトレーニング後はしっかり食事から栄養をとる必要があります。ランナーにとってスタミナはとても大切な要素の一つですからトレーニング以外に食事から補うことが大切になります。
人間の細胞は1年で98%生まれ変わると言われています。ですので、食事で補われたものが自分の体になっていきます。例えばお菓子やファーストフードのような高脂肪のものを大量に摂取すると細胞が傷つきスポーツどころか健康にも害を及ぼす可能性があります。トレーニングを継続して頑張っていたとしても食生活が偏っていると故障の原因になったり、練習からの回復が遅くなり中々パフォーマンスが向上しません。
トレーニングはとても重要ですが、それだけではトレーニングの効果は発揮されません。
栄養バランスのとれた食生活を心がけると疲労しにくく筋肉の修復も早くなりランニングを快適に行える体へと変わっていきます。
ランニング後の食事で疲労回復しよう
トレーニングが終わってからのメインの食事は運動後2時間以内がべストと言われています。
長距離のランニングや高強度のスピードトレーニング、ウェイトトレーニングを行った後はタンパク質を摂ると筋繊維の補修に有効に働くと言われています。
高強度のトレーニングの後は2時間以内に高タンパク、低脂肪の食事を心がけるとより疲労回復に効果的です。豚肉、鶏肉、低脂肪牛乳、ヨーグルト、赤身の魚、豆腐、納豆など栄養バランスを考えて摂りましょう。
マラソン大会に向けた食事メニューに関して詳しく知りたい方はこちら↓
【1週間前~当日】マラソン大会に向けた食事メニューの作り方
ランニング後のアミノ酸は疲労回復に効果的?
タンパク質を摂取すると最終的にはアミノ酸に分解されて吸収されますが、アミノ酸に分解されて血中にいくまでに約2時間かかります。トレーニング直後にアミノ酸を摂取するひとが沢山いますが、そこまで多くはありません。例えば、アミノ酸サプリメント3600mgというのは、タンパク質3.6gしかありません。
ではなぜアミノ酸のサプリメントを摂取する人が多くいるのでしょう。トレーニングの直後30分間が最も代謝が活発になります。タンパク質はアミノ酸に分解されるまで二時間かかるので代謝のベストタイミングを逃してしまいます。
ですので、アミノ酸サプリを摂取することにより最も代謝が活発になっている時に、アミノ酸を筋肉の修復に必要な材料を届けることができます。
アミノ酸には、非必須アミノ酸と必須アミノ酸の二種類があり、必須アミノ酸は体内でつくることができないため食事によって摂取する必要があります。良くサプリメントで売られているBCAAも必須アミノ酸であり筋肉の修復を早めたりまた練習直後の精神的疲労感も軽減してくれるという研究結果もあるのです。
まとめ
ランニングの前後は動的ストレッチや静的ストレッチを行うことでスムーズにランニングに移行できる目的やケガの予防やランニングフォームの改善の目的で行います。また、ストレッチに限らず疲労回復やケガを予防するには様々なセルフケアがあります。
ランニングのために行うセルフケアは健康や美容にも役立つものばかりなので是非実践して日常生活を豊かにしていきましょう!
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