目次
大学サッカー革命とは?
大学サッカー革命とは、大学サッカーの価値·魅力をより多くの人に届けるべく、関東大学サッカーリーグ1部と2部に所属する24大学の現役学生とその大学のOB、トップアスリート、起業家が集まって、様々な観点から大学サッカーのミライについて語り合う企画です!
大学サッカー革命とは?
今回のゲスト
東洋大学サッカー部 OB
田所昇
【生年月日】1993年10月13日(25歳)
【職業】建設業×カフェ
【どんな人?】西武台高校で全国大会出場し2010年には埼玉県予選得点王。その後、東洋大学体育会サッカー部に全国から15名程度のスポーツ推薦で入学。大学卒業後は半年間オーストラリアのシドニーでサッカーと英語を学ぶ。
現在は新しいフットボールカルチャーを持ったチームを作り途中。
東洋大学サッカー部 現役学生
坂元達裕(4年)
【生年月日】1996年10月22日
【出身高校】前橋育英高校
【学部・学年】社会学部4年
【部での役割】特になし
【卒業後の進路】プロサッカー選手(モンテディオ山形)
長澤昂輝(2年)
【生年月日】1998年10月21日
【出身高校】前橋育英高校
【学部・学年】国際観光学部2年
【部での役割】特になし
【卒業後の進路】プロサッカー選手希望
「サッカー×浅草」で地域活性

田所さんは今はどういう活動をされてるんですか?

今は「浅草Kicksman FC」という自分のサッカーチームを作っています。

サッカーチームを作ろうと思ったキッカケは?

niko and…(ニコアンド)っていうアパレルブランドがJリーグ24チームのTシャツを作ってたくさんのサッカー関係者を集めて、お披露目パーティー的なものを開いたんです。そこにニューヨークでサッカーだけじゃなくて、デザイナーさんがチームに入ってファッションにも力を入れてるっていうクラブの方が来てて色々話を聞いて、こういうチームが日本にもあってもいいんじゃないかって思ったのがキッカケです。

具体的にどんな活動を?

僕、浅草がめっちゃ好きなんで「サッカー×浅草」で色んな企画を仕掛けてます。例えば、インスタで浅草とサッカーをコラボさせた写真を投稿したりしてます。

へぇー面白そう!色んな人が興味を持ってくれそうな活動だね。

実際にその投稿を見てくれた家具職人の方から「何かお手伝いできそうなことがあるなと思って連絡させていただきました」っていう連絡がきました。
失敗に終わったサッカー交流会

2人とも前橋育英出身なんだ。高校サッカー選手権とか観客の数とかすごかったんじゃない?

僕も長澤も決勝の舞台を経験してるんですけど、その時は4万6000人のお客さんがきて、そこでプレーした時はすごい鳥肌が立ちましたね。

やっぱり観客がいるのといないのとでは全然違う?

自分は観客が多ければ多いほど燃えるタイプなんで、お客さんの多さは大事ですね。

大学サッカーの観客数はどれくらいなの?

具体的な数字はわからないですけど、高校サッカーと比べると圧倒的に少ないです。大学ではインカレでも全然お客さんが入らない。

お客さんを呼ぶために東洋大は何かしようとしたこととかある?

一度、マネージャーが中心となって地域の子供達を集めてサッカー交流会的なものを開催しようとしたことがありました。けど、子供達を集めることができず、結局開催することができませんでした。

それはなんで集められなかったのかな?

マネージャーに任せきりになってしまったっていうのが問題だったと思います。部員全員がお客さんを集めたいなっていう思いがありませんでしたね。
なぜ観客を集めるのか?

そもそもなんで観客を集めるのかを理解してないとそれは難しいかもね。去年の海外の4大リーグの成績をみると、圧倒的にホームの勝率が高いっていうデータがある。Jリーグはあんまり差がないっていうのは残念なんだけど。じゃあそういったデータがあるんだから関東リーグやインカレで勝つためには毎試合ホームのような状況を作ることで勝つ確率が上がるんだっていうロジックを部員全員に共感してもらうことができたら、一人一人の意識も変わって、行動も変わってくるかもしれない。

俺もそれは身に染みて感じた経験があります。これに勝たないと昇格できないっていうプレーオフがかかったホーム最終戦の試合。僕たちはこれはお客さんの力が必要だなって思って、みんなで2週間前からSNSを使って集客をした。その結果、いつもは約1000人ぐらいだけど、その時は約2000人の人が見に来てくれて会場は超満員。試合は0−3で負けてたんだけど、お客さんの応援もあって逆転して勝つことができた。

それは本当にお客さんの持つパワー。まさに12人目の選手だよね。

俺はその時の感覚が本当に今でも忘れられない。これだけの人を毎試合呼べたら俺たちはもっと強くなれるって思ったから。その試合がキッカケでTwitterをもっとやろうって思って今でもやってるんだよね。
入り口は個人のファン、出口は大学のファン

中井さんは今、フォロワーどれくらいいるんですか?

今は1.3万人ぐらいかな。その俺のフォロワー数を評価してくれる会社がいて、その会社は俺の個人スポンサーになってくれるようになった。だから今はチームからのお金以外に、そのスポンサーさんからもお金をいただいて活動してる。仮に今のチームから0円で提示されても個人スポンサーがついてくれているから活動していけるっていう形を取れている。

SNSのフォロワーってその人個人のファンだから、その人がどこにいってもそのファンの人たちはついてきてくれますよね。坂本君だったら来年からモンテディオ山形でプレーすると思うけど、坂本君が別のチームへ移籍したら、そのファンもついてきてくれる。そのファンは山形のファンじゃなくて、坂本君のファンだから。

確かにそうですよね。

だから、東洋大学もマネージャーに任せきりになって集客できなかったっていう経験があるなら、まずはサッカー部全体としてお客さんを集めるよりも部員一人一人がSNSで発信して個人のファンを増やしていってもいいんじゃないかなって僕は思う。個人で発信したほうががより中の人の誰がっていう細かい部分が見えるからお客さんの心にもダイレクトに伝わるはずだから。

確かに。東洋大のTwitterアカウントで応援にきてくださいってツイートするよりもタツ(坂元)個人がめっちゃ考えて心のこもった「応援にきて下さい」っていうツイートの方がみんなに見に行こうかなってなると思う。

個人でファンを呼べるようになれば、大学を卒業しても中井さんのように個人の財産にもなる。一人一人がそういう気持ちでやってそれぞれが10人のファンを集客できるようになったら単純計算かもだけど部員100人いたら1000人集めれる。

入り口は個人のファンだったかもけど、東洋の試合を見るようになっていつの間にか東洋のファンにもなっているっていうのが理想だよね。坂本君が卒業しても、そのファンは坂本君の試合も東洋の試合も見に行くようになってるっていう。

2人ともSNSとかはやってるの?

アカウントは持ってはいますけど、見るだけになってます。

多分、ほとんどの大学生がそうだよね。
東洋大の強みは縦と横の繋がり

他の大学にはない東洋大だけの強みとかあるかな?

部員数が少ないことですかね。1学年15人なんで全部員でも60人弱しかいないです。なので、全員で練習してます。

えっ少な!(笑)知らんかった(笑)じゃあ横と縦の繋がりも強いんだ?

そうですね、仲もいいですし、繋がりも強いですね。

それめちゃいいじゃん!組織には「2:6:2」の法則っていうのがある。「働きアリの法則」とも呼ばれてるんだけど、組織内において「上から2割の人が全体の数字の大部分を担っていて、6割は普通、下の2割はあまり働かない」というふうに言われてる。東洋の場合は全体の人数が少ないから、下の人数も少ない。同様に、上の人数も少ないけど、上が強い意志持って動けば、少ない下の人たちも動かして行けると思う。これが大きい組織になると動かさなきゃいけない下の人数が大きくなるから何かをするってなると難しくなる。負のパワーの方が強いからね。
「集中応援まであと○日!」のツイート動画

その繋がりの強さを活かして、まずは大学サッカーには集中応援があるからそこで多くのお客さんを呼べるようにしたいよね。

僕らが集中応援の企画としてやっているのは東洋のOBである京都サンガの仙頭さんや湘南ベルマーレの石川さんからサイン入りのスパイクを送ってもらって、プレゼント企画みたいなことはやってます。

OBに協力してもらうのも一つの方法だよね。今プロで活躍してるOBに声をかけて、大学サッカーの魅力を伝えてもらう。そうすれば、そのOBのファンは「あの選手が卒業した大学ってどんなサッカーするんだろう」っていう興味を持ってもらえて試合を見にきてくれるかもしれない。それにはOBとのリレーションシップが大事になるから、今回のこの企画はそのキッカケづくりの役割も担わせてもらってる。

集中応援の企画で改善した方がいいと思うのが「集中応援まであと○日!」のツイート動画。あれは今や風物詩みたいになってて、部員の面白ろさが伝わるから続けて行くべきだと思う(笑)けど、集客っていう意味では「あと○日」っていうのは大学サッカーを知ってる人向けに対しての告知の役割しか果たしてないと思う。大学サッカーを知らない人があと○日っていう告知動画を見ても多分、見に行こうとはならないんじゃないかな。

確かに、大学サッカーを知らない人にも見にきてもらうにはそれプラスで何か他のことをした方がいいかもしれないですね。

筑波大だったらモチベーションビデオを作って、この熱いプレーが会場で見れますよっていうことをして試合を見に行きたいと思わせる工夫をしてる。

それを誰がやるかっていう問題があるよな。マネージャーだけに任せてサッカー交流会が失敗した経験があるだけに。
広報&集客チームの設立

まず「広報&集客チーム」みたいなものを作ってみるのはどうかな?東洋には広報チーム的なのある?

ないですね。

たぶん、いきなり部全体で集客するのも難しいと思うから、サッカーも頑張るけど、サッカー以外でも何か頑張りたい、部に貢献したい人たちで集まって「広報&集客チーム」みたいなものを作る。それで人を集めることが出来たら、試合に出てる出てないに関わらず「多くの人を呼べた」という成功体験を得られて、また呼びたいと思えるようになる。さらに言えば、その活動や成功体験は今後の自分の人生の財産になると思うし、就活にも活きてくるんじゃないかと思う。

確かに僕が学生時代の時にはサッカーのことしか考えてなかったから、そういうチームみたいなものがあったらまた違った気持ちでサッカーと向き合えていたかもしれないな。

多分、そういうサッカー以外の活動もしていくことでサッカーにも活かされているなと感じる部分が人それぞれで出てくると思うんですよね。

じゃあ東洋はまずはそのチームを作って「集中応援に一番お客さんを集められる大学」を目指そうよ。

坂本さんは卒業しちゃうので僕が一番目指して頑張ります!

これがうまく行ったらめちゃくちゃ色々な人が幸せになる。長澤君の動きを見て、他大学も真似しようってなったら大学サッカーの周りのステークホルダー全員幸せにさせられる。そこまで強くイメージできれば絶対に動けるし、動けば必ず結果はついてくる!俺らのこと全然使ってもらって構わないから大学サッカー一緒に盛り上げよ!
浅岡編集長の一言
高校サッカーで味わった鳥肌を大学サッカーにも。高校サッカー選手権ではあれだけの観客がいるからこそ、世間やメディアが注目し、その観客の前でプレーするからこそ高校生たちは輝き、時として普段以上のパフォーマンスを発揮する。坂本君のように多くの観客の前でプレーできる喜びを味わったら、その感覚は忘れられず、きっともう一度あの感覚を味わいたいと思うはず。そのためにはピッチに立たなければならない。ピッチ立つには日頃の練習に全ての力を注がなければならない。いや、練習だけじゃなくその他のことにも。つまりお客さんを集めるということは結果として、チームに見えない力をもたらし、自分のパフォーマンスを上げることに繋がるのである。けど、大学サッカーにはプロじゃないからお客さんを集められない?いや、そんなことはないはず。アメリカの大学はプロじゃなくても自力で人を集める活動をして実際に平日にも関わらず多くの観客を集めている。であれば、僕らももっと強くそこをイメージできたらきっと行動に起こせるはず。自分たちの手でプロやアメリカと同じ雰囲気を作り出すことはできるはず。ただそれは一人の力ではできない。全部員で全大学で、さらには周りの地域の人たちを巻き込んでなど多くの人の力が必要になる。みんなで手を取り合って何か形にできた時、それはきっと大学サッカーに革命が起こっている時であると思う。
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