ラグビーと言えば、屈強な体格をイメージします。
やはり、ラグビーをプレーするには体格が良くなければいけないのでしょうか?
確かに、フィジカルコンタクトが多いラグビーでは体格の差が有利に働くシーンが発生します。
しかし身長や体重という体格の差で有利・不利が決まるスポーツは何もラグビーだけではありません。
バレーボールやバスケットボールなども、高さが有利に働くスポーツです。
しかし、身長が低いからといって諦める必要が無いですよね?
ラグビーも、体格による有利・不利はありますが、勝負を明確に決めてしまう要素ではありません。
今回は、ラグビーにおける体格の重要性を解説すると共に、体格差を理由にラグビーを諦める必要がない、という事についても解説していきます。
ラグビーって体格は重要??
ラグビーにおける体格は重要でしょうか?
答えは、 「重要ではあるが、ポジションごとに求められる適正体格は異なる」となるでしょう。
ラガーマン=屈強な体格
このイメージが先行しがちですが、低い身長でも問題がない(むしろ低身長が有利と言われる)ポジションもあります。
身長が高い方が有利なポジションや、俊敏性や機動力で体格のハンデを跳ね除ける事が出来るポジションもあります。
体格、つまり体重や身長の重さや高さが有利であるイメージが強いですが、ラグビーでそれらの要素が大きく影響するポジションはフォワード、スクラムを組むポジションです。
スクラムを組み、相手と押し合うパワーが求められるフォワードは、体格が良い方が有利という一面は確かにあります。
しかし、ラグビー=体格ではありません。
もし、生まれついて体格に恵まれていない事を理由にラグビーを諦めている方がいるならば、体格だけでラグビーの向き・不向きを決めつけないで下さいね。
平均はどれくらい??
日本のラグビーにおける体格の平均値とはどの程度でしょうか?
日本では、ラグビーとは高校生・大学生・社会人と日本代表でそれぞれ分かれています。
それぞれのラガーマン全てを把握する事や、平均値を割り出す事は不可能ですが、参考となる数値を紹介しましょう。
まずは「花園」の名称で親しまれる高校ラグビーから。
高校ラグビーの出場校から、おおよその平均体格を紹介しましょう。
特に体格の差が出やすいフォワードで各高校の平均値を出すと
80~90kgの体重が全体の6割程度を占めています。
中には95kgオーバーの選手もいて、 残念ながらフォワードの体重と成績は比例関係にあります。
80kg未満のフォワードはベスト8以上の成績を収めた高校には居ない、というデータになる大会も数多い事も確かです。
大学ラグビーは、帝京大学のデータを参考に紹介します。
帝京大学のフォワード平均体重は106.9kg(2019年1月の試合データ)
高校生に比べると体格に大きな差がありますね。
しかし、大学ともなると留学生(外国人)プレイヤーが平均値を押し上げている事も付け加えておきましょう。
最後に日本代表のフォワード陣
日本代表フォワード8人の平均体重は108.8kg
こと、フォワードの体格という視点で見る場合は、国内においてもレベルが上がるにつれて平均体重も増加傾向にある事がわかりますね。
世界一のオールブラックスの体格
現在(2019年2月時点)、ラグビー世界ランキング1位で名実共に世界一のラグビーチームはニュージーランド代表のオールブラックスです。
世界最高峰の体格はどれほどすごいのでしょうか?
オールブラックスのフォワード陣は平均体重111.3kg
日本代表の平均体重と比べても重い事が判ります。
日本代表とオールブラックスを比較すると
- 日本代表の先発15人平均身長、平均体重
182.3cm 99.2kg - オールブラックスの先発15人平均身長、平均体重
189.1cm 103.3kg
データからも、世界最高峰のラグビーチームは体格も優れている事が判ります。
このようなデータを見ると、「やはりラグビーは体格じゃないか」と思ってしまいますよね。
しかし、オールブラックスのメンバーが体格という要素においても世界一という訳ではありません。
体格だけで見れば、オールブラックスより高いチームや重いチームは当然あります。
しかし、オールブラックスは世界で一番強いチームとして君臨しています。
体格=強さという単純なスポーツであれば、世界中がこれほど熱狂する訳がありません。
体格はラグビーにおいて有利に働く要素の一つ。
体格差を埋めるために磨くべき要素について詳しく解説していきましょう。
体格差を埋めるために必要なことは?
ラグビーにおける体格差は確かに勝敗を決定づける要因の一つです。
しかし、体格差を埋める事は決して不可能ではありません。
特に近代ラグビーでは、一昔前のように体格に恵まれた強く力強いプレイヤーを揃えれば勝てるという単純な戦術は通用しない様になってきました。
戦術
ラグビーの戦術は常に進化を続け、近代ラグビーでは様々な戦略が展開されています。
攻撃・防御共にラグビーで取れる戦術は豊富にあります。
攻撃はパスを細かく回し、機動力のあるプレイヤーがタックルをかわしトライを目指すだけでなく、密集プレーを繰り返し少しずつ陣地を侵略していく戦術や、最近ではショートキックを利用して、抜け出したプレイヤーへとロングパスを成立させる戦術もあります。
チームの体格やポジションごとのストロングポイントをうまく活用して、フィールドプレイヤー15人をどれだけ機能的に動かす事が出来るかがポイントです。
ラグビーの戦術にも時代ごとの「流行」がありますが、体格差というハンデを抱えたチームは流行に流されず、自分たちのストロングポイントを活かした戦術を用いる事で試合を有利に運ぶ事ができます。
ラグビーにおいて、戦術を工夫する事は体格差を埋める為に最も重要な要素です。
トレーニング
体格とはそもそも何を指す言葉でしょうか?
身長や体重、筋肉量など総合的なフィジカルの強さを体格という言葉で置き換えている場合がほとんどです。
しかし、ラグビーにおける「フィジカル」の強さとは「体格」とは意味が違います。
激しい運動量を誇るラグビーにおけるフィジカルの強さとは、 瞬間的に最高速度へと到達する瞬発性や、長時間フィールドを走り続ける為の持久力なども含まれます。
もちろん、先天的な素質でもある身長はトレーニングで伸ばす事は難しいです。
しかし、ラグビーに必要な筋力を高めていく事で体重は自然に増加していきます。
単純に「筋肉」を付けて身体を重くすれば良い訳ではありません。
必要な筋肉をトレーニングで効率よく高めていく結果、体重が増えていく事が理想です。
スクラムを組むフォワード陣や、プロップ・フッカーあたりのポジションであれば体重がある方が有利なため、より重さを求めて筋肉トレーニングに励む事も良いでしょう。
ラグビーのトレーニングにおいて重要な事は、自分のポジション特性をよく知り、「必要な筋力」や「必要なフィジカル」を効率よく高める事です。
いくら体格に恵まれていようとも、プレーを続けられない体力では意味がありません。
逆に体格で遅れを取っていようと、別のストロングポイントを伸ばしていく事で大きな武器となり、体格差を埋める事へと繋がっていきます。
まとめ
ラグビーにおける「体格」は確かに重要な要素です。
体格差があまりに大きすぎる場合、様々なシーンで不利になってしまう事も事実です。
しかし、体格が絶対ではないという事もまた確かな事です。
最近では試合前に、両チームの体格差を事前データとして表示する事が多くなってきましたが、体格に秀でているチームが必ず勝利をしている訳ではありません。
日本人は、外国人に比べて小柄で体格では劣る事が多いです。
ラグビーでは他のスポーツに比べて体格の重要度が高いため、 日本人には向かないスポーツと言われてきましたが、戦術や科学的なトレーニングメソッドによって日本代表は世界と互角に渡り合う実力をつけています。
未来のラグビー日本代表を左右するのは、体格でも人種でもありません。
ラグビーに対する誤解や偏見で、若い世代がラグビーとの接点を断ってしまう事の方がはるかに大きな損失です。
自分は体格に恵まれていないから、と諦めずに少しでもラグビーに興味がある方は、是非ともラグビーの世界に足を踏み入れてほしいものです。
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